正直、もう来ないと思ってた。
あの人からのLINE。
最後にメッセージを送ったのは、たしか2週間前。
既読がつかないまま、時間だけが過ぎていった。
何か気に障ることを言ったかな。
しつこかったのかもしれない。
もしかして、ブロックされたのかも…。
スマホを見るたびに、自分を責めていた。
婚活をしていると、こういう“沈黙”の時間がいちばんつらい。
「いい感じかも」と思っていた相手ほど、突然ふっと消える。
この人となら、と思った矢先の既読スルー。
どこかで覚悟していたはずなのに、心のどこかで「信じたい」気持ちもあった。
そんな中、ふとスマホを見た瞬間、通知が鳴った。
…あの人からだった。
「おはよう。バタバタしてて返信遅れてごめんね。」
ほんの一行。それだけのメッセージだったのに、
心臓がドクンと鳴って、スマホを握る手が少し震えた。
ブロックじゃなかった。
それだけで、ものすごく救われた気がした。
この数日間、ひとりで勝手に落ち込んで、
ひとりで勝手に終わらせていたのかもしれない。
もちろん、本当に忙しかったのか、
それとも「一応返しておくか」的なテンションなのか、
真意はわからない。
でも、それでもよかった。
私はまだ、あの人のLINEに返信できる「位置」にいる。
婚活をしていると、こんな風に感情の波に呑まれることが多い。
ちょっとLINEが返ってこないだけで、世界の終わりみたいに感じたり、
たった一言の返信に、天にも昇るような気分になったり。
冷静に考えたらおかしいのかもしれないけど、
本気で向き合おうとしてるからこそ、
期待してしまうし、不安にもなる。
返信はすぐにはしなかった。
すぐに返したら、また前のように自分ばかりが頑張ってしまう気がしたから。
今度は、少しだけ立ち止まってみることにした。
自分の気持ちを優先してみてもいいかなって、そう思った。
数時間後、私はこう返した。
「返信ありがとう。お仕事忙しそうだね。無理しすぎないでね。」
本当は聞きたいことが山ほどあった。
「なんで急に既読つかなくなったの?」とか
「他に気になる人がいるの?」とか。
でも、それをぶつけたところで、何かが変わるわけじゃない。
むしろ、自分がまた傷つくだけかもしれない。
だから、私は「大人のふり」をして返信した。
余裕があるふり。
怒ってないふり。
何も気にしてないふり。
恋愛って、駆け引きばかりでしんどい。
でも、それでもまた誰かを信じたいと思ってしまう。
うまくいかないことが多いからこそ、
ほんの少しの希望を、ぎゅっと握りしめたくなる。
今、スマホの通知は鳴っていない。
だけど、私は少しだけ前向きな気持ちになっている。
ブロックされていなかったという事実だけで、
また一歩進める気がしたから。
婚活って、思ってた以上に心が削れる。
でも、こんな小さな奇跡のような再接続があるから、
もう少し頑張ってみようと思える。
今日も、誰かの「久しぶり」に救われる。
そうやって、少しずつでも前に進めたらいい。
⭐ 星評価:
★★★★☆(4 / 5)
期待しないって決めてたのに、やっぱり嬉しかった。
でも、次は自分を大事にしながら進みたい。