婚活や恋活をしていると、初めての顔合わせ、いわゆる「初デート」が何度もある。
数えてみると、これまでの初デートのうち7割以上がカフェだった。
なぜだろう?
居酒屋でもない、ランチでもない、ショッピングでもない、なぜ「カフェ」だったのか。
そしてそれは、わたしにとって正解だったのか――
今回はそんなことを、静かに振り返ってみたいと思う。
■ カフェは「ちょうどいい距離感」がある場所
初対面の人と会うときって、やっぱり緊張する。
どんな人なんだろう?写真と違ったら?話が続かなかったらどうしよう?
そんな不安が渦巻く中で、カフェという空間は絶妙に安心できる場所だった。
お酒の席だと、距離が一気に縮まりすぎる。
でも食事だと、メニューを選んで、食べて、間ができて…なんとなく「沈黙が怖い」時間が増える。
カフェなら、コーヒーを飲む動作が会話の合間を埋めてくれる。
「寒いですね」「コーヒー派なんですね」
そんなさりげない話題をつなぐ糸口が、そこにはある。
■ 時間のコントロールがしやすい
正直、相性が微妙だった場合、2時間の食事って地獄。
でもカフェなら、「そろそろ行きましょうか?」の一言で、自然に終了できる。
時間を決めずに済む、けれどダラダラしすぎない
これがカフェ最大のメリットかもしれない。
「じゃあ、今日はこの辺で」
と言いつつ、空気が良ければそのまま2軒目に移動できるし、
「話し足りない」と思わせられたら、それはそれで“次”のきっかけになる。
■ お互いの温度を確かめやすい
カフェって、内装・雰囲気・BGMなどが含めて「空気感」がすごく出る場所。
そして不思議なことに、会話のテンポや表情の変化がすごく見える。
相手がどんな飲み物を選ぶか、どんなふうに座るか、
わたしが話したエピソードにどう反応するか。
全部が、「この人ってどんな人?」という大事な情報になる。
それに、「この人とは、なんとなく合うかも」と感じる直感って、
だいたいこういうささやかな時間の中で育つ気がする。
■ “おしゃれ”の効果
カフェって、少しおしゃれをしていく場所。
いつもよりきちんとした服を選んで、髪もメイクも少し丁寧にして――
そうすることで、自分自身のモチベーションが上がる。
相手も「この日のために準備してくれたのかな」と感じてくれるかもしれない。
デートって、見た目だけじゃないけど、
「自分のために時間と労力をかけてくれた」と感じることで、好印象って作られていくと思う。
そしてカフェは、そういう“ちょっとしたおしゃれ”が映える場所。
■ 思い出の中のカフェたち
恵比寿のベーカリーカフェ、代々木の隠れ家風ブックカフェ、
吉祥寺の雑貨併設カフェ、中野のレトロ純喫茶…
思い出してみると、どのカフェもそれぞれの男性とリンクして、
それぞれ違った記憶になっている。
成功も失敗もあったけれど、
コーヒーの香り、薄暗い照明、外の景色、
そういった背景が、その人の印象に色をつけてくれる。
それは、居酒屋やファミレスにはない、**“記憶の彩り”**だったと思う。
■ 「話す」ことが目的の初デートには、やっぱりカフェが向いている
初対面のデートって、何をするかじゃなくて、
「どれだけ話せたか」がその価値を決めると思っている。
そして、その“話すこと”に集中できるのが、カフェだった。
気取らず、でも適度に緊張感があって、
会話が止まっても、コーヒーをひとくち飲めば時間がつながる。
それってすごく大事なこと。
だからきっと、わたしはカフェを選び続けたのだろう。
■ 結論:初デートにカフェが多かったのは、「ちょうどよかった」から
恋愛に正解はないし、相性の良し悪しは場所じゃ決まらない。
でも、初めて会うその1時間がスムーズに進むかどうかは、場所の選び方で決まることもある。
わたしにとって、カフェは「ちょうどいい」場所だった。
ちゃんと話せる。自分らしくいられる。
そして、相手のことも、無理なく見極められる。
そういう意味で、初デートがカフェだったのは、
単なる偶然ではなく、“理にかなった必然”だったのかもしれない。