婚活アプリで出会った彼と、初めて会う日。
メッセージでは、優しくて気が利いていて、
「会ったら一緒にカフェでも行きましょう」って、彼の方から言ってくれてた。
私はそのつもりで、時間をあけて、服も選んで、
ほんの少し緊張しながら待ち合わせ場所へ向かった。
「はじめまして」のあとの違和感。
彼は、想像よりちょっと素っ気ない雰囲気だった。
でも、「初対面ってこんなもんか」と思ってた。
駅前で軽く挨拶して、歩きながら話す感じに。
でも、どこかに入る気配がない。
「このへんにカフェありますよね」と言っても、
「あー、混んでそうっすね」で終了。
……え?
今スルーされた?って思った。
「このまま歩いて解散?」って、不安になった。
15分くらい雑談しながら歩いたあと、
「今日はこのへんで。お仕事頑張ってください」って言われた。
え、ちょっと待って。
こっちは“お茶する”って言ってたから来たんだけど?
お互いを知る時間を楽しみにしてたんだけど?
なんなら、今日の予定は空けてたんだけど?
たった一杯のコーヒーすら、共有できなかった。
お茶って、ただの飲み物じゃない。
「あなたと少しの時間を共有したい」っていう、気持ちの証拠でもある。
それを「混んでるから」とスルーされた瞬間、
私の中で彼との“未来の可能性”も消えた。
「行動が、その人のすべてを語る」って、ほんとだった。
最初から「会ってもお茶はしません」と言われてたら、
むしろ好感が持てたかもしれない。
でも「行こうね」と言っておいて、
実際はその気がなかった――
それがいちばん悲しい。
これが“価値観のズレ”ってやつなのかも。
たった30分だけだったけど、
ちゃんと「合わない人だった」ってわかったことは、収穫だと思いたい。
婚活って、こういう小さな違和感を見逃さないことが、
自分を守る手段になるんだなって、あらためて思った。