「婚活、してるの?」
そう聞かれたら、たぶん私は「うん、してるよ」と答える。
でもその実態は、全然“ガチ”じゃない。
アプリに登録してるけど、1日にログインするのは1回あるかないか。
誰かから「いいね」が来たら見てみるけど、
そこまで真剣にプロフィールを読み込んだりもしない。
たまにマッチングして、メッセージのやりとりが続いたら、
「じゃあ会ってみようかな」ってなることもある。
でも、たいていは数日でフェードアウト。
それを、深く悩むこともない。
婚活って、疲れるイメージがある。
実際、真剣にやっていたときは本当にしんどかった。
「この人は年収いくら?」
「親との同居は?」
「子どもは?」
「転勤はある?」
そんなチェックリストみたいなものを心の中で作って、
ひとつひとつ照らし合わせていく作業。
気づけば、人じゃなくて“条件”と話している気がしていた。
でも今は違う。
「何となく」で婚活してる。
肩の力を抜いて、自然体で、無理せず。
たぶんそれが、今の私にはちょうどいい。
よく「本気じゃないとダメ」って言われるけど、
本気になりすぎて疲れて、自分を嫌いになるくらいなら、
少し力を抜いて“なんとなく”の方が長続きする気がする。
もちろん、遊びたいわけじゃない。
結婚したい気持ちも、誰かと一緒にいたい気持ちも、ちゃんとある。
でも、“必死さ”が先に立ってしまうと、
うまくいかないことの方が多いのも、これまででわかってる。
「結婚って、しなきゃいけないもの?」
「誰かといないと、人生は寂しいの?」
そんな問いが、頭の中をよぎる日もあるけど、
今の私は、「ひとりでも大丈夫だけど、ふたりならもっといいかも」くらいの温度で、
人と向き合っている。
たまに、ものすごく真剣な人に出会う。
「結婚前提でお付き合いできる人だけ探してます」って人。
そういう人と話すと、自分の“ゆるさ”が申し訳なくなることもある。
でも、自分のペースでしか歩けないから、
無理に合わせようとしないことにしている。
婚活に限らず、人生ってタイミングだと思う。
「今は違う」って感じる相手が、
1年後には“ちょうどいい人”になっていることもある。
逆もまた、ある。
だから私は、焦らないことにした。
走る人は走ればいいし、休む人は休めばいい。
私は、歩く。
ゆっくりでも、止まりたくないから。
「婚活してる」って言うと、
がんばってる感を求められるけど、
私は“なんとなく婚活してる派”。
疲れないし、時々おもしろい人とも出会えるし、
自分の心の変化も感じられる。
それって、案外いい時間なのかもしれない。